『病気にならない生き方 -ミラクル・エンザイムが寿命を決める』

大腸の内視鏡検査とポリープの除去手術(ポリペクトミー)を世界で始めて成功させたという新谷弘美先生の著書。竹田さんのお勧めで読んでみた。

病気は治すものではなく、かからないようにするもの。治療より予防という考え方が、これからの医療ではますます重要になるのは間違いない。本書では、いわゆる生活習慣病だけではなく、すべての病気が生活改善によって予防できる、あるいは治療後の維持が可能と主張しているようだ。

このこと自体にはまったく異論はなく、その通り、むしろジョーシキでしょうと思うのだが、タイトルにもある「ミラクルエンザイム」の話に始まり、ヨーグルトは腸に悪いとか、牛乳を飲みすぎると骨粗鬆症になるとか、胃薬を飲むと胃が悪くなるとか、まさに「常識」に反する展開が続くうちに、だんだん怪しげになってくる。

確かにそういうケースもあるだろうけど.....なんだか誇張が多いような....数多くの臨床例っていうけどデータはあるの?...と疑問が重なり、ついに、家庭の食生活改善によって子どものDNAが書き変わるってところでレッドカード。そりゃないでしょう。

きれいな腸で長生きするのもいいけど、代償にコーヒーやビールや焼き肉を失うのもつらい。この本からは「きれいな水を飲む」ってところだけをいただくことにしよう。